前腕の骨が手首のところで折れた骨折です。前腕には2本の骨があり、折れた部位により橈骨遠位端骨折や尺骨遠位端(主に茎状突起)骨折と診断されます。骨折後は手関節から手指にかけて強く腫れて痛みが生じ、手関節や手指が動かしづらくなります。
男性では交通事故、女性では歩行中の転倒による受傷が多いです。年齢や骨粗鬆症は危険因子となります。
主にX線検査により骨折の有無、および転位による変形の程度が診断されます。
骨折の70-90%は保存的(手術必要なし)に治療されます。転位が大きく変形による後遺症が重度と判断される場合には手術療法が必要となります。保存的治療では患部の固定による骨折部の保護を数週間行った後、後遺症となりやすい手関節・手指の拘縮(動かしづらい状態)の予防のため、運動療法のリハビリを行います。